水橋和樹は自室に女を招き入れた。つい先日も一緒にお台場までドライブした若い女だ。彼女は純真な瞳で自分だけを見てくれている…そう思うと彼はたまらなかった。先日この世を去った金蔓の女の存在などとうに忘却の彼方だった。
数分の抱擁を交わしてからリビングに入る二人。
「飲み物を用意するから座ってて」
優しく言うと彼は冷蔵庫へ向かう。そこで女はポケットから一本の紐を取り出す。そう、彼女は気付いてしまったのだ、自分が彼に遊ばれているだけだということに。彼には他に何人もの女がいるということに。
彼が冷蔵庫の扉を開けた瞬間、彼女が背後に忍び寄った。
ピッ、ピッ、ピッ…。
ピピッ、ピピッ、ピピッ…。
ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ…!
-了-