あとがき

本作を一言で表すなら『衝動』。自分の心の中にある一つのベクトルだけに従ってためらわずに筆を走らせたらこんな物語になりました。
もちろんこれと拮抗する方向を向いているベクトルも心にはたくさんあるわけですが、きっとどのベクトルも僕に必要な張力なんだろうなと感じています。だからこそ時には普段傾けない方向に心を傾けてみたりして、そこで生じたエネルギーを小説や音楽に変えてまたバランスをとっているんだと思います。

僕らはみんな同じ人間だけど一人一人違う。平等であることは大切だけどそのせいで対等じゃなくなっている時がある。それでも誰も一人では生きられない。
まあ思い詰めない程度にそんなことを考え続けたいと思います。そしてまた色々な人と意見を交わして深まり合っていきたいです。

ではでは、お読み頂き感謝致します。

平成31年2月17日  福場将太