BACK TO THE FUKUBA Extra (2003→2010)

過去の音源を発掘する復刻アルバム三部作の番外編第2弾。今回は大学時代に所属していた音楽部の現役引退後、卒業してからの放浪中、そして社会人となりOBライブに出演していた頃の楽曲から際物を選曲。人生も心も大きく揺れていた時代のカオスな世界をお楽しみ、あるいはお苦しみください。

収録曲

  1. 長野娘はデンジャラス
  2. 大団円
  3. 同じ季節の共有者
  4. 日常日記
  5. Feed forward ~夢の消息~
  6. ミスターJポップの悲劇
  7. 恋愛の名にかけて
  8. 幸せの範疇
  9. つき合っていた頃よりも
  10. こころ

01. 長野娘はデンジャラス

作詞・作曲・編曲:福場将太

またメガネずらしてる ギャルさんこっち向いて
確かに君を見つめてんだから
またすぐ否定する 奥さん自信持って
確かに君を褒めてるんだから
ねえお嬢さん 君ら何者?
恋も部活もハイリスクハイリターン 付け毛付けても赤ちゃんで
ブーツ&パジャマも流行のうち 本心は好き・嫌いどっち?
もう師範もぶっ飛ばしちゃう最強コンビ
君ら二人いてくれると 安心するよ100パーセント
得意技の違う2ピースのジグソーパズル
どんな育ち方をしたの 長野娘はデンジャラス

また無防備過ぎる もっと自覚持って
確かに君ら可愛いんだから
また落ち込んじゃってる? ほら元気出して
いつでもみんな仲間なんだから
まあご冗談 ドンビーモアビューティホー!
恋の呪文は「奥さんJビーフ」 納会の日も追試で大忙し
お手てつないで必殺ラクーアジェット プロポーズは技あり・有効どっち?
講道館もぶっ壊しちゃう最強コンビ
これ以上近付いたら 一本負けのマイスイートハート
たった3分がもたなくてかっこつかない
いつの時代も主将泣かせ それが長野のジンクス

もう部費が底をついてもいい最強コンビ
君らが射つ光の矢は ハートど真ん中大命中
柔道部にいてよかったな めぐり逢えたし
歴代先輩と比べもんにならない魅力が大爆発!

Memo : ファンクラブまであった柔道部のマネージャーコンビ『千円たとぅー』の応援歌。師範の教えは「試合は三分間の自分のドラマ」でしたが、それにしてもハイテンションです。

02. 大団円

作詞・作曲・編曲:福場将太

意識したら壊れてしまう そんな物がたくさんある
君と僕の関係とかどうだろうな 平気かなあ
もう少しで言わなくちゃ サヨナラを
サヨナラを君に
初めて出会ったあの時も 駅まで送った雨の夜も
一つ一つ思い出せば
ふざけて走った雪の日も 死ぬほど笑った長電話も
君との思い出全部全部 特別なことに思えてくるよ

時が経てば忘れてしまう 優しさとか約束とか
でも世界が終わる前に また二人はきっと会える
だから笑って放そう つないだ手を
つないだ手をそっと
真面目に怒った時のこと ダメかと思った時のこと
胸の奥に包み込めば
好きだと伝えた時の顔 初めて迎えた朝の色
また別々の恋に堕ちても 憶えていたい微笑み方さ

恋するばかりに気を取られ 愛することさえままならず
バカでドジで意地っ張りな涙
君がどこかに元気でいる ただそれだけで生きていける
また別々の恋に堕ちても 憶えていたい微笑み方さ
僕の恋人じゃなくなっても 笑っててほしいと思うわけさ

Memo : 勉学、部活ときて青春のもう一つの要素はやっぱり恋愛。うまくいったりいかなかったりですが、学生時代に恋した全ての人へ贈るエンディングテーマです。それにしてもこの曲からもう二十年とは…時の流れは恐ろしや。

03. 同じ季節の共有者

作詞・作曲・編曲:福場将太

窓から迷い込む風が 私の髪を揺らしたら
夏が来るのが 少し速まる予感
誰かの役に立つことは いつもこんなに手探りで
不器用だけれど いつか…憧れている
不安に押し潰されそうな夜
でも明日は部活 また元気出たよ
ここにこうしていることが きっといつの日か役に立つ
そんなふうに考えたら 全て受け止められる
同じ時間を生きた者の 絆の強さをただ感じる
どんな時も どこにいても
頼れる仲間がいる I’m a member.

散りばめた星屑が 星座と呼ばれ名を残す
それは偶然 とても素敵な偶然
自分を嫌いになっちゃう日もある
けど今日は戴帽 結構似合うかも
あたため続けた手のひらが 誰かの命に触れる時
精一杯の優しさで 全て包み込みたい
今は冗談の中でだけ あなたが好きだと叫んでるよ
言わなくても 何してても
頑張る仲間がいる I rember.

ここにこうしていることが きっといつの日か役に立つ
そんなふうに考えたら 全て受け止められる
同じ季節の共有者が 私の自慢の宝物さ
何年後も 何してても
誇れる仲間がいる I’m a menber.

Memo : 柔道部の看護学生が戴帽式を迎えた時に毎年プレゼントしていたお祝いソングの最終作。実際にあげたのはみんなで合唱したバージョンですが、ここでは独唱のデモ音源を。

04. 日常日記

作詞・作曲・編曲:福場将太

現代人は孤独だと心が貧しいと
何か事件がある度に言うけど
それじゃ江戸時代のみなさんは寂しくなかったの?
縄文人の心は豊かなの?
団地妻の井戸端会議からマスコミの話題から
ドラマ化される漫画のネタまで
最近誰かを批判するような内容ばっかりで
ちょっと弱い物いじめ染みてきてる
決め付けるからそうなっちゃってるような気がするよ
ねえ僕は何を信じて生きてけばいいの
またミュージシャンは偉そうにスポットライト浴びながら
無責任なことばっかかっこつけて歌っている
政治家やお医者しゃんをボコボコに言うだけじゃなく
自分自身もおんなじくらいちゃんと批判してやらなきゃ
不公平だよ

君たちが21世紀を担う世代ですと
確か小学校の先生に言われたな
でも蓋を開けりゃいきなり戦争が始まってしまったり
正直僕一人じゃ何もできない
みんな自分と自分の手の届く大切な人たちに
気を回すので精一杯の日々さ
そんな中仕事とはいえ人のために働くみなさんを
一概に悪く言うのはどうでしょう
まだ信じて闘ってる人がちゃんといるのに
ねえ勝手にあきらめないで 終わらせないで
またミュージシャンは何を言ってもこれは歌ですと言い逃れ
政治家やお医者しゃんはたった一言で叩かれ
コンビニも国会も責任重きその職場で
誠意をもって誇りを持ってちゃんと仕事に当たらなきゃ
社会人でしょ

肩書きだけで僕の何が決まるっていうのさ
この心もこの未来も 僕の物だよ決め付けないで
またミュージシャンはカメラ目線のジャケットに素晴らしい歌詞
僕はカラオケでそれを歌い上げまるで違う生き方をする
どんな過ちもどんな失敗も褒めようと思えば褒めれる
どんな栄光もどんな名声もけなそうと思えばけなせる
それが人生

そりゃ聖職者も専業主婦もストレスもあれば酒も飲む
大学教授も社長令嬢も性欲もあれば恋もする
ミュージシャンもお医者しゃんもみんなおんなじ人間で
善人もいれば悪人もいるし誰かの親で誰かの子で
地球人でしょ
みんな人間 みんなヒューマン
誰だってVIP
君は自由だ 僕も自由だ
みんな自由だ本当は 肩書きだけで
決め付けないで 決め付けられないで
一人一人がしっかり考えて 生きてけよ

Memo : 音楽部の部室で録音した学生時代の最終作。まさに弾き語りの名にふさわしいぼやきのフォークソングです。言ってることは青いけど、この視点も失くさずにいたいなあ。

05. Feed forward ~夢の消息~

作詞・作曲・編曲:福場将太

ほんとまさかって思うくらい
君に会えたことは僕を救った
多分嘘だって思うだろうな
君は気付いてない 自分のすごさに
言葉にしなきゃいけないこと 言葉にすればなくなるもの
難しいね 難しいけど
なんとなく 少しずつ わかるよ
僕の夢があるのは君のいない世界
君が恋をするのは僕のいない未来
それでも好きなら どうすればいいだろう

もっともっとって思うけれど
これ以上のことは僕の我儘
二度と恋なんてしない魔法を
解いてくれただけで 十分過ぎてる
子供のままじゃいけないこと 大人になれば見えないもの
懐かしいね 懐かしいほど
優しさが 愛しさが 込み上げる
僕がたどり着くのがどんなゴールでも
君がくれた奇跡をきっと思い出す
あんな出会いは もう二度とないだろう

僕の夢があるのは君のいない世界
君が恋をするのは僕のいない未来
それでも好きなら どうすればいいだろう
それでも好きなら どうすればいいだろう

Memo : 卒業はしたもののこれからの道が見つからず放浪し始めた頃に作った曲。まさに迷いだらけという感じですね。力強いストリングスのアレンジが気に入っています。

06. ミスターJポップの悲劇

作詞・作曲・編曲:福場将太

ミスターJポップ 愛する意味はない
ミスターJポップ 夢見る価値はないけど
また僕らは有名なもの聴いてしまうのさ Jポップ
アイドルの後ろでストリング 弾いてるお姉さんこそがアーティスト
馬鹿が作った適当な曲も まあそれなりに仕立て上げる
ありがとう、アレンジャー!

ミスタータイアップ 内容と関係ない
ミスタータイアップ エンディングしか流れないけど
また僕らはよく聴いたもの買ってしまうのさ タイアップ
アイドルグループのデビュー曲 作ってるおじさんこそがミュージシャン
音もずらせる雑音も消せる どんな歌もプロに変える
ありがとう、エンジニア!

ミスタープロデュース 4小節はパクリじゃない
ミスタープロデュース 編曲は印税が安いけど
また僕らは大物のブランドに弱いのさ プロデュース
来月にゃ誰も憶えちゃいないのに これは名曲とおだて上げる
ありがとう、マスメディア!

ミスターJポップ 愛する意味はない
ミスターJポップ 君らに罪はないけど
また僕らは有名なもの聴いてしまうのさ Jポップ

Memo : 放浪中、野外音楽イベント『DREAM LIVE』に出演していた頃の曲。コンセプトは「Jポップを批判するJポップ」ですが、天邪鬼にもほどがありました。

07. 恋愛の名にかけて

作詞・作曲・編曲:福場将太

友達と恋人と何がそんなに違うの
一生仲良くしたいならば 友情がいいだろう
思い出を台無しにすることさえあるという
なのに恋は生まれてしまう 誰も例外なく
僕に何ができるのだろう 涙の次はきっと笑顔を見せて
君が好きなんだって気が付いてから
悩んだり迷ったり 毎日が大騒ぎ
僕じゃダメなんだって気が付いてても
二人めぐり逢えたことは 奇跡だよきっと

いつから仲良くなって どこから気まずくなって
そんなことをくり返してる 男と女は
好かれようとするほど 嫌いな自分になってく
こんなつもりでそばにいたわけじゃないのだけど
もしも君が悲しむなら 歌いに行くよ恋愛の名にかけて
君が本命だって火が着いてから
喜んだり落ち込んだり 毎晩が大わらわ
恋をしてるんだって見抜かれてても
なんでそんなに可愛いの? 反則だよほんと

君は僕のお気に入りさ 涙の次はきっと笑顔を見せて
君が好きなんだって気が付いてから
悩んだり迷ったり 毎年が大外刈り
僕じゃダメなんだって気が付いてても
二人めぐり逢えたことに意味を持たせたい
コンビニの数よりありふれてても
出会い別れ愛し愛され 誰もが大忙し
それが人生だって 差がついてても
ちゃんと想いを伝えるよ そばにいてほしい

Memo : 放浪末期のとち狂いソング。間奏のキーボードソロだけが妙に気合い入ってます。

08. 幸せの範疇

作詞・作曲・編曲:福場将太

みんなと一緒にいるために 我慢しなくちゃいけないことがある
みんなの仲までいるために 乗り越えなくちゃいけない壁がある
でもそれはきっと嬉しい悩み でもそれはきっと楽しい試練
そんなふうに考えたら 何もかも受け止めて進めるよ
大切な夢があって 大好きな人がいれば
何一つ結果は出ていなくても 誰にも譲れない人生
生き方に迷いながら 夢破れ恋敗れても
僕らの悩みや不安なんて全然 幸せの範疇だよ

君の友達でいるために あきらめなくちゃいけない恋がある
君の親友でいるために 君と離れて自分の道を行く
お互いにきっと頑張っている それだけでずっとつながっている
過ぎた日々を思い出せば さよならは次までの予告編
治せない傷もあるし 戻れない場所もあるけど
全てを手に入れられない分 全ては失くさない仕組み
果たせないあの約束 償えない過ちも誤魔化さずに
引き連れて歩くから まだまだ人生の最中だよ

大切な夢があって 大好きな人がいれば
何一つ答えは出ていなくても 誰にも譲れない人生
生き方を選ぶ誇り 夢破れ恋敗れても
僕らの悩みや不安なんて全然 幸せの範疇だよ
懲りない連中だよ

Memo : 北海道への旅立ちが決まり、学生時代に愛用した新宿の『御苑スタジオ』で最後に録音した曲。この歌詞に込めた想いは一生忘れずにいたいです。

09. つき合っていた頃よりも

作詞・作曲・編曲:福場将太

つき合っていた頃よりも つき合っていた頃よりも

つき合っていた頃よりも 何気なくいれたり
つき合っていた頃よりも 気軽に話せたり
つき合っていた頃よりも かっこよく見えたり
つき合っていた頃よりも 仲良しかもしれない
でもね 恋人でいたかった
恋人でいるということは 別れの影と闘うこと
誰より近いということは 誰より遠くもなりうること
不可欠になればなるほどに もしもそれを失った時
取り返しがつかなくなるよ 百も承知で恋に堕ちる

つき合っていた頃よりも 友達が増えたし
つき合っていた頃よりも 好きなことできるし
つき合っていた頃よりも 心つらくないし
つき合っていた頃よりも 幸せかもしれない
なんて そんなはずないのにね
どこにでも転がってそうな 珍しくない別れでしょう
所詮ゲームと覚りながら 二人は特別と思い込む
永遠を待ち続けるなど 誰もできるはずもないから
この恋をまた嘘に変えて 次を本物に仕立て上げる

つき合っていた頃のこと 今も夢に見るわ
つき合っていた頃のこと 失敗作だけど
つき合っていた頃のこと 憶えててほしいな
つき合っていた頃のこと 無駄にしたくないから
ちゃんと 前を向いて

つき合っていた頃よりも 少し強くなれた
つき合っていた頃よりも 恋愛がわかった
つき合っていた頃よりも もっと私らしく
つき合っていた頃よりも きっと綺麗になろう
でもね 恋人でいたかった

Memo : 東京を離れて五年ほどは年に一度OBライブで里帰りしてました。これは新宿のライブハウス『ヘッドパワー』での演奏。少し意地悪ですが、こういうラブソングが大好きです。

10. こころ

作詞・作曲・編曲:福場将太

君の心どこにあるの そんなことばかり思う
もしもそれが手に取れたら 僕は胸に抱くだろう
愚かな僕の心は 時に君まで
疑って 疑ってしまうよ
心 心 心に嘘ついたり
心 心が嘘ついたり
心 心 見極めるなどできない
できない できないけれど

君の言葉わからないよ 同じ国に暮らしても
僕の辞書と君の辞書じゃ 意味も成り立ちも違う
ひ弱な僕の言葉は 時に君さえ
傷付けて 傷付けてしまうよ
言葉 言葉 言葉を生み出したり
言葉 言葉に生かされたり
言葉 言葉 言い当てるなどできない
できない できないけれど

心って不思議でさ 今はもうとっくに取り壊された
あの家の押し入れの 奥のおもちゃ箱が
いつだって取り出せる気がする
心 心 心に嘘ついたり
心 心が嘘ついたり
心 心 見極めるなどできない
できない できないけれど
心は心を思う

Memo : これもOBライブ、新宿のライブハウス『FREAK』での演奏。客席で再会した恩師から「ほんま心って不思議やね」と声を掛けていただいたのが思い出です。揺れてばかりの心ですが、その後も元気に暮らしております。