2026年7月5日(日)、都内某所で行なわれた共催シンポジウムで講演に登壇した。
主催の一方は『視覚障害をもつ医療従事者の会 ゆいまーる』、僕も所属している団体だ。もう一方は『JRPS東京』、すなわち日本網膜色素変性症協会の東京支部であり、僕と同じ持病のみなさんの団体だ。
両方に所属しているメンバーもちらほらおられ、また視覚障害関連のネットワークではお互いその名を聞くことも少なくない間柄だが、この度ついに共同でイベントを開催するに至ったのは誠に感慨深い。ここにその思い出を。
■演題
心と目の健康講座 今宵見えない月を見上げて
■セットリスト
第1章 目の健康と心の健康
第2章 相談先はどの病院?
第3章 元気な心でいるためのテクニック
第4章 網膜色素変性症が教えてくれたこと
第5章 まとめ
1.目と心
今回のシンポジウムでの講演は2本立て、僕はその1本目を担当した。
内容は視覚障害とメンタルヘルス。体の調子と心の調子には大きな関連があり、体の不調で心の調子を悪くすることもあれば、心の不調で体の調子を悪くすることもある。
網膜色素変性症においても、いずれ失明するかもしれないと告げられたり、実際に視力が低下してきたりすることで、心の調子を崩す当事者は少なくないのである。
癌を患った患者さんのメンタルケアについては、精神腫瘍学と呼ばれる専門分野が医学の中に存在しているが、目を患った患者さんのメンタルケアについて、いわば精神眼科学と呼ばれるような専門分野はまだない。それでも所属している『公益社団法人NEXT VISION』の新たなる代表理事・三宅琢くんがそうであるように、近年は、患者さんの心のケアにも意識を向ける眼科医の先生が増えてきているのは確かだ。ぜひ精神科医としても、そういった患者さんのニーズにも応えていけるよう精進したい。
2.目と睡眠
無事に自分の講演が終わると、僕は客席へ移動、2本目の講演を拝聴した。
登壇したのは、自身も弱視である睡眠専門医の先生。特に光を感じる力を失った視覚障害者は太陽による体内時計の補正ができないため睡眠障害に陥りやすいという切り口から、その対処法をユーモアたっぷりに教えてくださった。
睡眠は心の健康状態を表すバロメーターであると同時に、心の疲れやストレスを癒してくれる名医でもある。体だけではなく、心の元気を守るためにも、これからも睡眠を大切にしていきたい。
3.目と鼻の先
シンポジウムはつつがなく閉会。飛行機の都合で懇親会には参加できなかったが、会場では馴染みのゆいまーるメンバーやお久しぶりのJRPSメンバーと少し言葉を交わせた。
そういえば、眠らない街で過ごした大学時代の音楽部では、他の大学の軽音楽部と合同でライブを企画していた。確か会場はこんな雰囲気だったような気もする。
そんな懐かしい感覚も覚えながら、僕は近くて遠い北海道へと戻ったのである。
4.研究結果
視力が低下した分、心の力を高めよう!
目で日光が感じられなくても、体内時計を合わせる方法はある!
さあ、見えていてもいなくても、七夕の星空を見上げよう。
令和8年7月7日 福場将太