今年のGWは、桜が咲いている地域もあれば雪が積もった地域もあり、梅雨入りした地域もあれば真夏日のような地域もありで、日本全国様々な季節感を呈した。
僕の暮らす街は雨模様が多く、特に5月4日は朝からずっと冷たい雨が降っていた。外出もできないため、久しぶりに家の収納を整理することにしたわけだが。
1.過去の開封
転ばないように気を付けながら、頭上の収納からいくつものダンボール箱を取り出して床に並べる。一息ついて順に開封していくと、出てくる出てくる、東京時代の懐かしい物たち。
大学の音楽部で演奏した曲の楽譜、勉強のノートや実習のレポート、当時やりとりした年賀状や便箋などなど。おそらくもう使うことはないだろうが、かといって捨てるのもためらわれる物が盛りだくさんだった。
2.失われた旋律
印象深かったのは、自作の曲の歌詞の束。文面を読めば何となく口ずさめる物もあれば、タイトルからして全く記憶にない物まで、今の自分にはない視点や発想があって面白い。
また、作ったことは憶えていても、メロディがさっぱり思い出せない物もある。こういう時、楽譜が書けないのは痛手。このサイトの音楽室でも紹介しているように、気に行った曲はなるべく録音するようにしてはきたが、時間がなかったりタイミングが合わなかったりで、メロディが残っていない曲も少なくないのだ。
残念ではあるが、もうどこにもない曲たちの存在が無性に愛しくも感じた。
3.未来への模索
もう一つ印象深かったのは、大学卒業後、持病の網膜色素変性症が進行する中で必死に進路を模索していた痕跡だ。この先どこでどうやって生きていけばよいのかわからず、文芸のコンテストに応募したり、嘉門タツオさんの番組にネタを登校したり、音楽のイベントに出演したりしていた。
今回、ダンボール箱の中から、応募した小説に対する出版社さんからの講評がたくさん出てきた。いずれも受賞につながるものではなかったが、そういえばこんなのも書いていたなあと懐かしさが込み上げる。
4.選んできた道
どうにか道を見つけて東京から北海道へ移住、ダンボール箱たちはその時の引っ越しで詰め込んだ物だ。
あれからもう二十年。のん気だったり本気だったりしながら、時には道が険しくなったりもしたけれど、ちゃんとここまで歩いて来られた。もちろん未練はあるけれど、選んできた生き方に後悔は少ない。
今年のGW、二十年前の頑張っていた自分、確かにそこにいた自分を思い出せてよかった。そして学生時代と変わらず、好きな物は好きなままでいられていることにも安心した。
さすがに全部とはいかなかったが、東京時代が詰まったいくつかの箱を処分して、空いたスペースに僕は北海道時代を詰め込んだ新たなダンボール箱を押し込んだのである。
5.研究結果
次に収納を整理する時も、ちゃんと愛しさや懐かしさが込み上げる、そんな生き方をしていたい。
令和8年5月10日 福場将太