岩見沢視力障害者福祉協会主催講演会 視覚障害と回復の意味

 2025年8月3日(日)、岩見沢視力障害者福祉協会主催の講演会が開催された。会場は岩見沢視力障害者福祉センター。音声図書作成のための録音スタジュオや、点字図書館も備えた施設で、普段から様々な福祉活動・文化活動が行なわれているそうだ。
 今年は北海道での講演が多く、2月に札幌市視覚障害者福祉協会、4月に江別視覚障害者福祉協会で行なった。札幌市・江別市と並んで岩見沢市も北海道の街であり、今回はシリーズ3部作の完結編といったところか。これまでにない試みもしたので、ここにその思い出を残しておきたい。

■演題

 視覚障害と回復の意味

■セットリスト

第一章 網膜色素変性症との関係の変化
第二章 視覚障害からの3つの回復
第三章 生活の回復のためにできること
第四章 気持ちの回復のためにできること
第五章 まとめ
特別章 弾き語りミニライブ

1.これまでも

 細かい話だが、札幌や江別は『視覚障害者福祉協会』であるのに対し、岩見沢は『視力障害者福祉協会』。目の見えにくさは必ずしも視力の問題だけでなく、視野や色の識別、明るさや暗さの順応の問題などもあるから、近年は『視力障害者』よりも『視覚障害者』という呼称を用いることが多い。逆に言えば、岩見沢視力障害者福祉協会はそれだけ歴史の長い団体ということだ。そこにお招きいただけたのは誠に光栄である。

 さて、今回のセットリスト、特に内容として真新しいものは含まれていない。これまでも色々な講演で語ってきたお話の中からチョイスして構成している。例えるなら、新曲のないコンサート。
 とはいえ、僕の講演は一言一句同じ原稿を読み上げているわけではないので、内容は同じでも用いる言葉の表現や伝え方のニュアンスは毎回異なる。回を重ねる中で、なるべく伝わる表現、伝わるニュアンスを模索し、同じ内容でも講演そのものは研ぎ澄ませていきたいと思っている。
 2018年11月の山梨から始まり、視覚障害に関する講演活動をするようになってもうすぐ丸七年。これまでも一歩ずつ一歩ずつ歩いてきた。

2.これからも

 そして今回また新たな一歩があった。それはギターの弾き語り。この愛しい趣味を、ぜひにと言っていただいたので思い切って取り入れてみた。瀬戸の花嫁、知床旅情、悪女、あの素晴しい愛をもう一度、翼をください、とその場でリクエストもお受けしながらラスト2曲は会場で合唱となった。

 ただの余興といえば余興、おまけといえばおまけであり、特段すごいことをしたわけではないのだが、自分にとっては大きな意味がある。というのも、いつか講演会とコンサートを融合させたようなイベントをやりたいとかねてから夢想していたからだ。今回はその第一歩。
 まあ楽しみながら追いかけたい夢なので、気張り過ぎないことが大切。岩見沢視力障害者福祉協会の歴史から見ればまだまだ浅いが、継続は力なり、これからも一歩ずつ挑戦を続けていきたい。

3.研究結果

 猛暑の中、お集まりいただいたみなさん、ありがとうございました。
 一緒に歌っていただいて感謝、おかげで小さな夢が叶いましたぜ。

令和7年8月5日  福場将太