I See! Working Awards 2025 on ZOOM

 2025年2月23日(日)、このイベントが今年もまたやってきた。公益社団法人NEXT VISION主催のコンテスト『I See! Working Awards』の授賞式だ。開催は通算9回目、審査員を務めるのも6回目である。今年の会場は神戸、灘五郷の酒蔵だった。
 …と、例年なら授賞式についてレポートするのだが、今年は午前中に別の仕事でどうしても北海道にいなければならなかったので残念ながら授賞式は欠席。その代わりZOOMを用いてリアルタイムで観覧する形となった。思えばオンライン参加はコロナ禍以来だ。

1.授賞式

 視覚障害を持っていても…ではなく、持っているからこそ活き活きと働いている人たちの事例が今年もたくさん報告された。受賞者の中に音楽の関係者が多く、和太鼓やバイオリンの生演奏が披露されたのが印象的で、言葉ではなく音を通して働く喜びや生きる楽しみが伝わってきた。会場で聴けなくて残念。
 また僕の所属している『視覚障害をもつ医療従事者の会 ゆいまーる』の仲間も受賞されていた。ゆいまーる会員の受賞はこれで何名になるだろう。本当におめでとうございます!

 そして視覚障害者が職場で活躍するためのアイデアを募集する部門でも、今年も目からウロコ。毎年新たなウロコが落ちるということは、このイベントが進化し続けているという証拠である。

2.公開コンサルティング

 イベントの後半は公開コンサルティングとしてパネルディスカッション。今回のテーマは、2024年4月から民間の職場においても義務化された合理的配慮について。指揮を執っていたのは大学時代の同期であり、現在NEXT VISIONの副理事長を務める三宅琢くん。
 彼の語ってくれた合理的配慮の説明はとてもわかりやすかった。配慮をしてもらう・してあげるではなく、その人がこの職場で働けるようにするためにはどんな調整をすればよいか、それをちゃんと本人と職場で対話をして考える、それが義務になったのだという本質をしっかり伝えていた。障害があるかどうかよりもやる気があるかどうかの方が重要、前例がないのも特別ルールを作るのも当たり前、配慮ではなく遠慮をしてどうする、などなどユーモアも交えながら誤解されやすい点をズバズバ解き明かしていて痛快だった。

 僕は午前中に札幌で視覚障害の当事者・支援者向けに講演をしていたのだが、驚いたのは共通の話題がたくさん出てきたこと。「職場で作業のスピードを求められるとどうしても視覚障害者は負けてしまう」と講演会のとあるスタッフがおっしゃっており、僕はそれに対して共感することしかできなかったのだが、午後のイベントの中で三宅くんが全く同じ話題を出し、しかも見事に論破していた。すごい偶然である。
 想えば彼と出会ってもう二十五年。得意技の違う二人だが、それぞれの専門、それぞれの土地で、同じ夢を持って働けることを心から幸せに思う。

3.研究結果

 久しぶりに一市庁舎として観覧して、改めて自分はこのイベントが好きなんだと実感。
 次回はいよいよ第10回、今から楽しみだぜ!

令和7年2月24日  福場将太