JRPS山陰の方からお話をいただき、2023年7月9日(日)、島根ビジョンネットワーク主催のロービジョン研修会で講演をしました。今回はその記録を。
1.心は神話の地へ
今回の講演スタイルはオンライン、とはいえオンラインなのは僕だけで、聴いてくださるみなさんは島根の会場に集まっておられるというのがこれまで経験のない形でした。語り手もも聴き手もオンラインならさほど気にならないのですが、自分だけオンラインというのは単純に寂しい。会場の空気感もわからないのでお話していても自分だけ異世界にいるような感覚、もしかして精神医学でいう離人症状とはこういうものなのかなんて思ったりしました。
実は依頼をいただいた時からオンラインでと言われてはいたものの、スケジュールさえ都合がつけば本気で島根に飛ぶことも考えていました。やっぱりお話は直接の方が格段に伝わるというのもありますが、単純に出雲の地へ行きたかったからです。竹内まりやさん出生の地でその数々の名曲を聴いてみたかったですし、『金田一少年の事件簿』のファンとしては、数少ないアニメオリジナルエピソード『出雲神話殺人事件』の聖地巡礼をしてみたかった。まあそんなわけで心だけは出雲へ飛ばしてお話をさせていただいたわけです。
2.心の健康とは何ですか?
今回のテーマはメンタルヘルス、視覚障害当事者の方と支援者の方が聴いてくださるとのこと。そのためまず最初に会場へ投げかけたのは「健康な心とはどんな心でしょうか?」という質問。メンタルヘルスケアを考える勉強会はたくさんありますが、目指している健康な心がそもそもどんな心なのかを考える機会は案外に少ないもの。もちろんその答えは一つではありません。みなさんそれぞれにとって目指している健康な心があると思います。
そこから講演の前半は自身の網膜色素変性症と心の変遷、後半は当事者が陥りやすい、がっかり感・仲間外れ感・お荷物感の解消法についてお話をしました。一時間もその場にいない人の話を聴くのは疲れたと思いますが、同感でも反発でも、何か一つ心に気付きが生まれてくれていたら嬉しいです。
3.心は出会いで癒される
講演の中で僕が所属している『視覚障害をもつ医療従事者の会 ゆいまーる』と『公益社団法人NEXT VISION』についても紹介したところ、会場に点字毎日に連載中の『ゆいまーるのこころだより』を読んでいるという方がおられました。山陰にも読者がいると思うと感動、今後も頑張って書かねばと思いました。
そんなわけで、ディスプレイ越しでも色々な人と出会えるのが講演活動をする一つの楽しみ。線状降水帯の影響で足元のお悪い中、会場にお集まりいただいたみなさんには心より感謝致します。本当にありがとうございました!
4.研究結果
健康な心とは、思いやりを持てる心。
令和5年7月13日 福場将太