美食の研究レシピ3 盛岡冷麺は歯ごたえが命

 日本人は胃袋を冷やし過ぎといわれるが、やはり夏には冷たい麺類が食べたくなるもの。素麺、冷麦、ざるそばにざるうどん、冷やしたぬきに冷やし中華、冷やしラーメンに冷製パスタなどなど、あなたは何がお好みだろうか。愛してやまない料理たちについて研究するシリーズの3回目、今回は『盛岡冷麺』をいただきます!

1.お品書き

 冷やし中華、冷やしラーメン、冷麺…地域によって若干これらの用語の使い方が異なっている気もするが、今回取り上げるのは盛岡冷麺、焼き肉屋さんで食べられるあのゴムのような歯ごたえを持つピリ辛の麺料理である。油っこい物を食べた後に清涼感を与えてくれる名サポーターであり、もちろん単品の料理としても十分な満足を与えてくれる一品。僕はさらにオリジナルでとある物をトッピングしておいしさを倍増するわけだが…。
 さあみなさん、このご馳走をぜひ召し上がれ!

2.レシピ

 もちろん麺から作る技術のない僕は、スーパーで家庭用の盛岡冷麺を買ってくる。いくつかのメーカーから出ているが、多くの場合、乾麺とスープと辛味ソースが封入されている。

手順① 乾麺を茹でる
 小鍋でお湯を沸騰させてそこに乾麺を投入するのだが、この料理の命は何といっても歯ごたえ、つまり茹で過ぎは禁物。そばやうどんの乾麺よりもはるかに短い時間で十分なのだ。こんなに短時間でよいのかと不安になるが、なるべく茹でない方があの歯ごたえを味わえる。かといって茹で方が不十分だと芯が残ってしまうので、いかにギリギリのタイミングで火を止められるかが勝負だ。
 そのための工夫としては、一塊になっている乾麺を投入前に手でほぐしておくと短時間で芯まで茹であがりやすくなるので効果的。そして火を止めたらすぐに麺だけボウルに移して冷水で冷やす。この点、水道から一年中冷たい水が出る北海道は有利である。

手順② トッピングして出来上がり
 面を冷やしたらどんぶりに入れて、付属のスープと水で浸し、辛味ソースをお好みで加える。あとはもうトッピングだけ。お店の様にチャーシューやナムル、韓国のりがあればゴージャスだが、なくてもキムチ、ハム、キュウリ、ゆで卵くらいあれば十分。
 もうこれで完成。この料理の良い所は、これだけのお手軽さでお店に匹敵する味…というのはちょっと大袈裟だが、それくらいのおいしさが家庭で味わえること。疲れていて調理するのが面倒くさい時、夜中に小腹がすいた時などとても重宝する。
 ちなみに僕のオリジナルのトッピングは天かす。たぬきそばやたぬきうどんを作る時に使う天かすを加えるのだ。具がなかった時にやってみたらとてもおいしく、我が家では天かすは専ら盛岡冷麺に用いられている。つまり盛岡たぬき冷麺、美味なのでみなさんもお試しあれ!

3.思い出

 夏場の日曜日のお昼ご飯は冷たい麺、というのが幼少時の僕の記憶。大きな寿司桶に入った素麺を家族みんなで食べたり、スーパーの冷やし中華を母親が作ってくれたりしたものだ。また僕の実家のある広島県呉市では珍来軒というお店の冷麺が有名で、そのお持ち帰りセットを買ってきて母親がよく作ってくれていた。当時は地元民だけの好物だった珍来県の冷麺だが、今や呉市を代表する名物として観光客が列を作っているそうである。盛岡冷麺とも異なる、冷やし中華とも異なる、珍来軒の冷麺も呉市にお越しの際にはぜひお楽しみくだされ!

令和5年7月2日  福場将太