I See! Working Awards 2023

 令和5年3月12日(日)、恒例のこのイベントが今年もやってきた。公益社団法人NEXT VISION主催のコンテスト『I See! Working Awards』の授賞式だ。開催は通算7回目、審査員を務めさせていただくのも4回目である。
 今回はリアルとオンラインを合わせたハイブリット開催、しかも会場は神戸と仙台をつなぐというなんだかすごいことになっていた。そしてインタビュアーはやっぱりこの人、眼科医で産業医、なおかつ僕にとっては学友でもある三宅くんだ。

1.コンテストの意義

 今回も募集された部門は二つ、視覚障害を持つ者が実際にどのように働いているのかという事例部門、そして視覚障害を持つ者がどうすれば働けるのかというアイデア部門。各部門の受賞者が二つの会場に登壇し、三宅くんのインタビューのもと、審査員のコメントも挟みながら一人一人がコンテスト応募に込めた想いが語られていった。僕もどちらかの会場に駆け付けたかったのだが前夜まで北海道で用事があり、今回はオンライン参加となった。

 三宅くんが最初の挨拶でこう言った、「人が生きていく上で大切なことは学ぶこと、働くこと、そして遊ぶこと…この3つが自分なりにできるようになること」と。これは素直にそうだなと思った。ストレスは色々あっても、今自分が元気な心で暮らせているのは確かにこの3つができているからだ。特に働くことができていなければ学ぶことにも身が入らないし、遊ぶことも楽しめない。だから働くことについてスポットを当てたこのイベントに大きな意義があるのだと改めて感じた。

 また三宅くんはこうも言った、「答えは患者さんが教えてくれた」と。今回示された事例部門受賞者のみなさんはまさにそうで、前駆者のいない道を自ら切り拓いたその知恵と勇気は医療者では生み出せない。アイデア部門でも視覚障害当事者はたくさん受賞されていて、「目が見えないことは強味」とおっしゃっていた方もいたが、まさにその強みで生み出された発想がたくさん紹介された。

2.時代は変わって

 最後の挨拶で高橋先生もおっしゃっていたが、もはや「目が見えなくてもできる仕事はないか」と支援者が探してあげるというのは過去の考え方、今は当事者自身が「目が見えないからこんなことができるぞ」と自らニーズを発信していく時代に変わってきている。NEXT VISION代表理事の三宅先生がおっしゃっていた『創出する』という言葉がまさにそれなのである。

 今回はスペシャル企画として過去の受賞者も登壇しその後の活動や想いをさらに掘り下げる『パイオニアトーク』も行なわれた。まさに前例がない場所に前例を打ち立てた人たちであり、生きるエビデンスである。
 自分にはもう働く道がないと途方にくれている誰かに、このコンテストで放たれた知恵と勇気のメッセージが届いてくれたら嬉しい。そしてそんな活動に携われることを改めて幸福に思う。

3.研究結果

 最近少しずつ北海道でも視覚障害支援の活動をしている方々とのつながりができてきたところ。そしてその支援者の中には視覚障害当事者も少なくない。
 さあみんな、北の大地からも知恵と勇気を創出するぞ!

令和5年3月12日  福場将太