神戸アイセンター開設5周年記念講演会

 この度、僕も所属している公益社団法人NEXT VISIONが活動の拠点としている神戸アイセンターが開設5周年を迎えられました。本当におめでとうございます。NEXT VISIONのメンバーとしてはもちろん、アニバーサリー大好き人間としてもここは行くっきゃないと、久しぶりに神戸に足を運んできました。今回はそのレポートを。

1.空港係員さんたちに感謝

 令和4年12月3日(土)。午前の診療を終わらせてたどり着いた新千歳空港は生憎の…というか師走の北国としては当たり前の雪模様。いつものように係員さんにサポートをお願いして搭乗ゲートまで行ったものの、そこからどんどん出発時刻が順延。神戸行きだけではなく多くの便に雪の影響が出たようで、係員さんたちはみんな忙しそうでした。
 そんな中でも出発時刻や搭乗ゲートが変更になる度に僕の所まで来て適切な誘導をしてくれた係員さん、「申し訳ありません」と何度も頭を下げられたけどむしろそれはこっちのセリフ。北海道の人間は雪害での足止めは慣れっこ、空からの贈り物を恨みこそすれ、それで誰かを怒ったりはしないのです。

 ようやく離陸した後も向かい風に見舞われてのフライト、神戸に到着したのは午後8時過ぎでした。すぐにホテルにチェックインして遅い夕食、その後はやっと部屋に落ち着いてシャワーを浴びたらベッドにバタンとなったのです。

2.ホテルマンさんたちに感謝

 12月4日(日)。記念講演会は午後からなのでゆっくり朝寝坊してから起床。お湯を沸かして備え付けのコーヒーなんか飲んだりしながら久しぶりのホテル宿泊に優雅な気分を味わいました。昼食もルームサービス。内線電話で目が悪いことを伝えると丁寧にメニューを読み上げてくださり、配膳も食べやすいようにセッティングしてくださいました。
 さらにその後、内線電話が鳴って何時頃にベッドメイクに入ればよいかも確認してくれるじゃないですか。もしかしたら配膳してくれたスタッフさんが気を利かしてベッドメイクのスタッフさんに連絡してくれたのかもしれないな、とあたたかい気遣いに感動。同時にこの連携の良さは職場でも見習わねばならないと学ばされました。

 そして講演会の時刻。会場は同じホテルだったので、またフロントまで電話を掛けて誘導をお願いするとそれも快く了解。その神戸訛りの優しい語り口にも癒されながら、僕はいざ会場へと向かったのでした。

3.集ったみなさんに感謝

 まずは講演会の前に関係者のみの記念式典。10月に長野で会った三宅くんとは二カ月ぶりだけど、それ以外のNEXT VISIONのみなさんとは実に久しぶりの再会。もちろんオンラインの理事会などでお声は聴いていたんだけどやっぱり直接会うと感慨も一入。柔道家で実業家でもある初瀬さんは初めて会った時と変わらない優しさと豪快さで、最近フルーツサンドのお店を始めて自分もエプロン姿で店頭に立ってるお話なんかをしてくれました。それに「そこにコップがあるからこぼさないようにね」とか、「俺もトイレに行くから一緒に行こう」とか、さり気なくサポートしてくれました。本当に器が大きな人です。

 その後はいよいよ講演会のフロアへ移動。コンサートでもするかのような大きな会場で、高名なお二人の先生が再生医療の可能性と今後のアイセンターの構想についてお話されました。眼科医療・福祉の発展が楽しみになる内容でとても勇気づけられました。
 講演の後もしばらくその場で雑談タイム。NEXT VISIONの関係者以外にも、以前に神戸でお世話になった人、普段ゆいまーるやメルマガ色鉛筆でお世話になっている人ともお会いでき、中にはオンラインではお馴染みでもリアルはこれが初遭遇という人もいて、ちょっとした挨拶やお喋りがとっても楽しかったです。
 確かに講演だけならオンラインでも聴けるかもしれない、でもその場の一体感の共有や講演前後の雑談はオンラインでは成し得ない、そしてその一体感や雑談の中からこそ新しい企画やアイデア、つながりが生まれることを今回強く感じました。お金も時間もかかるけど、足を運んで集うからこそのメリットはたくさんあるのです。

4.夢に感謝

 この神戸行き、実のところ一番の心配は自分の体調でした。先月の中旬から下旬にかけて僕は新型コロナウイルスに感染して自宅療養していたからです。幸い軽症で回復し職場にも復帰したものの今回のイベントはそこからちょうど一週間後といったタイミング。最初はキャンセルしようかとも思ったのですが、逆に言えば今が一番免疫としては最強なはず、嫌なことがあった後にはいいことがないといけない、と論理を構築して参加を決断しました。結論から言うと、本当によかったと思っています。

 理由の一つは心にたくさん元気をもらえたこと。コロナの自宅療養で一週間も一人で自宅にいると、やっぱり心が沈んでくるものです。普段はストレスも感じるけど、やっぱり仕事に自分は支えられていたと痛感、せっかく時間があってもライフワークの音楽や執筆をやろうという気持ちにもなれませんでした。復職してもどこか浦島太郎、周囲との温度差みたいなものがありました。無気力とまではいかずとも、どこか情熱が湧いてこない感覚があったのです。
 でも今回の講演会で大先輩の先生方がパワフルに夢を語っておられるのを目の当たりにして、胸が熱くなりました。ちゃんと夢を描いてその実現を信じて頑張っている人たちがいる、コロナ禍だろうが向かい風だろうが夢を追い続けている人たちがいる。自分は何を弱気になってたんだと情熱が着火されたのです。

 もう一つは前述したように、久しぶりに会えた人たちとの雑談からも多くの元気をもらいました。きっとみなさんそれぞれ大変なことがあるはず、それでも笑って、冗談言って、叶えたい夢を持っている。今度こんなことしましょう、来年は一緒にこれをやりましょう…そんな約束ができたことでまた生きるのが楽しみになりました。

 その日の夜はホテルでもう一泊。年明けに自分がやる予定の講演の内容をワクワク考えながら過ごしました。今回の先生方のようなすごいお話は無理でも、少しでも有意義な内容で、弱火でも聴いてくださった誰かの心を着火するような言葉を伝えたい、とアイデアを練りました。
 そして講演の内容と同時に推理小説のネタも一つ浮かびました。来年の一本目はこれでいこう、早く書きたい、と今回の旅行にパソコンを持参しなかったことを今更ながら後悔。
 まあとにもかくにも、コロナ後遺症の情熱低下はこうして無事回復したようです。

5.助けてくれる人たちに感謝

 一夜明けて12月5日(月)、また空港の係員さんたちに誘導してもらって無事神戸空港から離陸。来る時の機内では中島みゆきさんの『瞬きもせず』や竹内まりやさんの『人生の扉』などの癒しソングばかりを聴いていましたが、帰りの機内ではMr.Childrenの『東京』や鈴木彩子さんの『空へ…』などの夢追いソングを楽しみました。風も雪も少なく心地良いフライトで、定刻よりも早い新千歳到着。明日からまた愛しい日常が始まります。

 一人で動けない僕でもこうやって旅ができるのは紛れもなく助けてくれる人たちのおかげ。上述したみなさんに加え、飛行機の便を調べてくれる人、北海道で送り迎えしてくれる人、神戸で送り迎えしてくれる人。貴重な時間を割いて助けてくれる大切な人たちに報いるためにも、まだまだ何もあきらめるわけにはいきません。みんな、本当にありがとう!

6.研究結果

 叶ったり叶わなかったりでも、やっぱり夢を描いて生きよう。
 夢が溢れる神戸アイセンター、10周年のアニバーサリーも楽しみにしてます!

令和4年12月6日  福場将太