連休の使い方

 今年のゴールデンウイークは飛び石で大型連休ではなかったので実家に帰ったりはできなかったが、休みになるとすぐダラダラする自分としては珍しく充実させることができた。今回は今後の資料としてそんな日々を書き残しておく。

1.前半戦

 4月28日(木)の夜は久しぶりに職場の同僚の先生方とのお食事会があった。以前は医局の親睦を深めるために年に一度ほど開催されていたが、コロナ情勢となって当然全面中止。二年ぶりに有志での小規模開催であったが、普段一緒に働いている方々と肩の力を抜いて語らう時間は、元気に仕事を続けるためにも、業務を円滑に行なうためにも不可欠だなと感じた。もちろん二次会もないため早々に帰宅、すると珍しく大学時代の音楽部の相棒からの電話。特に重要な用件があったわけではなく、ただ馬鹿なだけの会話を気兼ねなく楽しんだ。あの頃僕が作った曲を彼がたくさん憶えていてくれたのも嬉しかった。本当にいつか、もう一度彼と音楽をやりたい。

 4月29日(金)、今回のゴールデンウイークで最初の休日。朝寝坊してからゆっくり翌日の網膜色素変性症フォーラムの講演の準備をした。そして30日(土)に無事それを終える。翌5月1日(日)にはこの研究室の記事としてフォーラムの振り返りのコラムを書き、ついでに放送室に更新するボイレコラジオも収録した。

2.後半戦

 5月2日(月)は通常業務、翌日からの連休に仕事を持ちこまないために書類作業など全て終わらせてから退勤。夕食後はいよいよライフワークにギアを入れる。やるぞやるぞ、まずは小説の執筆だ! 数時間パソコンに向かっているとアカシア時代の図書委員長から電話が掛かってきたので手を止めて会話を楽しむ。彼はゴールデンウイーク前半で趣味の登山に赴いてきたとのこと。ついつい長電話になってしまったがまあお互い明日は休みということで明け方頃にようやく受話器を置いた。

 5月3日(火)。夜更かししたわりには案外早く目が覚め、普段何かと生活をサポートしてくれている友人と近所のお店でランチ。コロナ情勢となり、こんな何気ない外食も今や年に数回になってしまった。馴染みの店なので一応ポイントカードにスタンプは押してもらうもののこの頻度ではとても貯まりそうにない。
 帰宅後、昨夜の長電話の影響が出てしまい数時間昼寝。まあ普段昼寝なんてできないからこれはこれで貴重な体験といえよう。危うく昼夜逆転するところだったが、タイミングよく実家から電話が入り世間話。話しているうちに目も覚めたので受話器を置いた後は小説執筆を再開。幸い真夜中までにはノルマまで筆を進めることができた。

 5月4日(水)。ここからは執筆ではなく音楽のライフワークにギアチェンジ。朝寝坊しそうになったのをたまたま妹からの電話で助けられ起床。さすがに家でギターをかき鳴らして熱唱するわけにはいかないので、僕は毎度のことながら楽器と録音機材一式を抱えて某所へ移動。自分でレコーディングエンジニアもやらねばならないのがアマチュアミュージシャンのつらいところで、マイクスタンドを立て、ケーブルの配線をし、ギターの音量を調整して…なんてやっているうちにセッティングが完成する頃にはすでに午後2時を回っていた。
 それでは、いよいよ録音開始! スタイルは中学時代から変わらずの弾き語り一発録り。ある程度妥協しつつ、でもある程度はこだわりつつ作業を進めていった。本日の予定は全4曲。午後6時には3曲までが録り終った。この勢いでやってしまおうと最後の1曲に取り掛かるが…やはり疲労と油断で集中力が落ちてきたのだろう、歌詞が飛んだり演奏をポカしたりを連発。何度か休憩を入れて深呼吸と伸びをしながら挑み続け、これでダメなら明日にしようとあきらめかけた頃、ようやく成功。気付けば午後8時を回っていた。
 まあ賞味たったの六時間の録音作業だが、それでもずっと集中していたため終わった瞬間どっと疲労感が襲ってくる。でもこれはとっても心地良い感覚。もちろんアマチュアの僕はまた全てのセッティングを撤収してからいそいそと帰路に着くのであった。

 5月5日(木)、ゴールデンウイーク最後の休日。この日は録音の予備日だったのでそれが丸一日空いたことになる。見ると天気も良さそう。だったらやることは掃除しかない。普段はコロコロを使って楽しているので掃除機を全ての部屋にかけた。そしてその後水拭き。ついでに皿洗いにトイレと風呂も掃除、不要なダンボール箱を潰してビニールテープで縛り、衣類と布団のシーツの洗濯も行なった。もちろんその間、イヤホンで好きな作家の音声図書をずっと聞いていたので苦はない。やはり家の中が綺麗になると気持ちが良いもの。特に極寒の北海道では冬に窓が開けられないため、この季節に全ての窓を開け放って掃除や洗濯ができるのは喜びである。そしてその夜は浴槽にお湯を溜めてゆっくり入浴。ああ、なんと素晴らしい単身生活。

3.研究結果

 そんなわけで今回は色々な要素がうまくはまって充実した連休となった。でも大切なのは毎回そうではないぞということ。例えば友人や家族との交流、今回はたまたま重なったが、全くそれらがなくて孤独感に苛まれる時もよくある。執筆や音楽だって、全く思うようにいかなくて泥沼にはまることも少なくない。せっかくの連休に何の成果も残せないことも往々にしてあるのだ。
 不運が重なる時もあれば幸運が重なる時もあるのが人生というもの。だから落ち込み過ぎず、いい気になり過ぎず、めげずにやっていきたいものである。

令和4年5月8日  福場将太